水風呂の効果5つと正しい入り方を論文12本からわかりやすく解説【水温別の時間目安表つき】何分入るか・危険・苦手な人の代わりまで
結論
サウナ後の水風呂には、①体の熱を逃がしてサウナをくり返せる ②目が覚めて気分がすっきりする ③休憩で「ととのう」落差をつくる ④運動後の筋肉痛をやわらげる ⑤続けるとストレスや睡眠の面で変化が報告されている、の5つの効果が期待できます。時間は水温しだいで、16〜19℃なら1〜2分、15℃以下なら30秒〜1分が目安です。サウナから出てすぐに飛び込むと血圧が200mmHg程度まで上がった報告もあるので、汗を流し、かけ水で体を慣らしてから、息を吐きながらゆっくり入ってください。苦手なら無理に入る必要はありません。
「サウナの後の水風呂って、本当に体にいいの?」
「冷たすぎて何分入ればいいのかわからないし、心臓に悪くないか心配」
サウナには慣れてきたけれど、水風呂だけはどうしても怖い、なんとなく数十秒で出てしまう、という方も多いのではないでしょうか。調べても「免疫が上がる」「自律神経が整う」「美肌になる」と効果ばかりが並び、どこまで本当なのか判断がつきません。そこでこの記事では、冷水浴を扱った論文12本と消費者庁の注意喚起を読み、研究で確かめられている効果と、まだ言われているだけの効果を分けて整理しました。水温別の時間の目安表、かけ水と呼吸のコツ、水風呂が苦手な人や水風呂がない施設での代わりまで、サウナの記録アプリ「ととのい時計」を作っている開発チームとしてまとめています。ぜひ参考にしてください。
すぐ試したい方へ:サウナ室と水風呂の温度、自分の経験から、サウナ・水風呂・休憩の時間とセット数を出す自分に合うサウナ時間診断があります。サウナの入り方全体はサウナの正しい入り方にまとめています。
1. 水風呂の効果5つ(研究の数字つき)
まずは、サウナの後に水風呂へ入ると何が起きるのかを、研究で測られた数字と一緒に5つに分けて紹介します。研究の多くは「サウナの直後に数分入る」という日本の入り方とは条件が違うので、条件もあわせて書いています。
1-1. 体の熱を逃がし、サウナを安全にくり返せる
いちばん基本的な効果は、サウナでたまった熱を短い時間で逃がせることです。健康な若い男性8人を測った実験では、80℃のサウナで体温(口の中で測定)が約1.1℃、100℃では約1.9℃上がり、心拍数はそれぞれ約60%・約90%増えました(Kukkonen-Harjula ら, 1989)。
水は空気よりずっと熱を奪いやすいため、同じ温度の空気の中で休むより早く体の表面が冷えます。体温がある程度下がるので、2セット目・3セット目のサウナにも無理なく入れます。サウナを「何セットか」くり返す入り方は、この冷やす工程があって成り立っています。
1-2. 目が覚め、気分がすっきりする
冷たい水は、体を活動モードにする交感神経を強く刺激します。若い男性が14℃の水に1時間浸かった実験では、血中のノルアドレナリンが約5.3倍(+530%)、ドーパミンが約3.5倍(+250%)に増え、代謝(エネルギー消費)も+350%になりました(Šrámek ら, 2000)。
ただしこれは14℃に1時間という、水風呂の1〜2分とはまったく違う条件です。数字をそのまま水風呂に当てはめることはできず、「冷水は興奮のホルモンを押し上げる向きに働く」という方向の根拠として読んでください。
より水風呂に近い条件では、冷水に慣れていない健康な大人33人が20℃の水に首まで5分浸かった研究があります。浸かった後は「活動的」「頭が冴えている」「注意深い」といった前向きな気分が高まり、緊張や苦痛は減っていました。脳のMRIでも、気分の変化に対応する脳のネットワークの結びつきの変化が見られています(Yankouskaya ら, 2023)。
1-3. 休憩で「ととのう」落差をつくる
水風呂は、それ自体で気持ちよくなる場所というより、その後の休憩を気持ちよくする準備にあたります。サウナで上がった心拍数と、水風呂で強まった交感神経の働きが、休憩中に落ち着いていく途中で、力が抜けているのに頭が冴えている「ととのう」感覚が語られます。
サウナの後は血圧が入浴前より下がることも確かめられていて、73℃のサウナに30分入った102人の研究では、入浴直後の血圧が平均で137/82mmHgから130/75mmHgに下がりました(Laukkanen ら, 2018)。ととのう感覚がどう起きるのかはサウナで「ととのう」とはで詳しく解説しています。
1-4. 運動後の筋肉痛をやわらげる
運動の後に冷水に浸かる「アイスバス」は、スポーツの分野でよく研究されています。44本のランダム化比較試験をまとめた分析では、冷水浴は何もしない場合より筋肉痛を軽くしていて、その効果は水温の違いや連続か断続かには左右されませんでした(Batista ら, 2023)。
ただし効果が見られたのは短め〜中くらいの浸水時間で、長く浸かった場合には後から来る筋肉痛への効果が見られませんでした。長く入るほどよいわけではない、という点は水風呂にもそのまま参考になります。筋トレとサウナの組み合わせ方は筋トレ後のサウナの解説を参考にしてください。
1-5. 続けると、ストレス・睡眠・体調の面で変化が報告されている
冷水浴を続けたときの変化を調べた研究もあります。健康な大人を対象にした11本の試験(合計3,177人、水温7〜15℃、30秒〜2時間)をまとめた分析では、浸かった12時間後にストレスが減り、睡眠の質や生活の質(QOL)の改善も見られました(Cain ら, 2025)。一方で、浸かった直後や1時間後には炎症の指標がむしろ上がっていて、気分の改善ははっきりしませんでした。
この分析に含まれる大規模な試験として、オランダで3,018人を、温かいシャワーの最後に30秒・60秒・90秒の冷水を浴びるグループと浴びないグループに分けて比べた研究があります。冷水シャワーのグループは、自己申告の病欠が29%少なくなりました(Buijze ら, 2016)。ただし病気になった日数そのものには差がなく、「病気にかかりにくくなった」とまでは言えません。
| 効果 | 根拠になる研究 | 注意点 |
|---|---|---|
| 体の熱を逃がす | サウナで体温+1.1〜1.9℃(8人) | 水風呂がなくても外気浴やシャワーで代わりになる |
| 目が覚める・すっきり | 14℃・1時間でノルアドレナリン+530%/20℃・5分で前向きな気分が増加(33人) | 前者は長時間の実験で、水風呂とは条件が違う |
| ととのう落差 | サウナ後の血圧は入浴前より低い(102人) | 「ととのう」そのものの定義はない |
| 筋肉痛の軽減 | 44本の試験のまとめ | 長く浸かると効果が見られない |
| ストレス・睡眠・病欠 | 11本の試験のまとめ(3,177人)/冷水シャワーで病欠-29% | 病気の日数は変わらず、直後は炎症の指標が上がる |
2. 言われているけど確かめられていない効果
水風呂の効果として紹介される話の中には、研究で確かめられていないものも混ざっています。期待しすぎて無理に長く入らないためにも、確かさの度合いを分けておきます。
| よく言われる効果 | 研究での位置づけ |
|---|---|
| 免疫力が上がる・風邪をひかなくなる | 確かめられていない。冷水浴の直後に免疫の指標が変わったという結果は出ておらず、病欠は減ったが病気の日数は変わらなかった |
| 気分が上がる・うつに効く | まだ確立していない。13本・4,105人をまとめた2026年の分析では、全体としては良い方向だったものの、偏りの大きい研究が多く、改善するとは言えないと結論している |
| 痩せる・脂肪が燃える | 確かめられていない。冷水で代謝は上がるが、水風呂で体重が減ったという研究は見当たらない |
| 毛穴が引き締まる・美肌になる | 確かめられた研究は見当たらない |
| 自律神経が整う(治る) | 言い過ぎ。一時的に交感神経が強く働くことは確かだが、乱れが治るという根拠は見当たらない |
| サウナと水風呂で長生きする | フィンランドの研究はサウナに入る回数を調べたもので、水風呂の効果を調べたものではない |
気分についての2026年の分析は、冷水シャワー・冷水浴・寒中水泳を扱った研究を集め、「現時点の証拠では、冷水が気分・抑うつ・ストレスを改善するとは言えない。心の病気の治療として単独で使うべきではない」と結論しています(Ngandeu Schepanski ら, 2026)。入った直後にすっきりする感覚と、長く続けて心の状態がよくなることは、分けて考えたほうがよさそうです。
痩せる効果については、冬の水泳とサウナを週2〜3回続けている若い男性は、寒さにさらされたときに熱をつくる量が多かったというデンマークの研究があります(Søberg ら, 2021)。研究者はエネルギー消費を増やす方法になりうると提案していますが、体重が減ったことを示したものではありません。サウナと体重の関係はサウナのダイエット効果で整理しています。
また、サウナの健康効果としてよく引用される「週4〜7回サウナに入る人は、週1回の人より突然心臓死のリスクが63%低い」という研究(Laukkanen ら, 2015)も、調べたのはサウナの頻度です。観察研究なので因果関係までは言えず、水風呂の効果の根拠として使うのは正確ではありません。サウナ全体の効果はサウナの効果にまとめています。
3. 水風呂は何分?水温別の時間の目安表
「水風呂は何分」と一律に決めることはできませんが、水温ごとのおおよその目安を知っておくと、入りすぎ・出るのが早すぎを防げます。下の表は、研究で決まった基準ではなく、一般に案内されている範囲を水温ごとに整理したものです。日本サウナ・スパ協会が公式に何分を推奨しているという記載も、私たちが確認した範囲では見つかりませんでした。
| 水温 | 感じ方 | 時間の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 20℃以上 | ひんやりする程度 | 2〜3分 | 水風呂が苦手な人・はじめての人 |
| 16〜19℃ | 多くの施設の標準的な冷たさ | 1〜2分 | ふつうに入れる人の基本 |
| 11〜15℃ | かなり冷たい | 30秒〜1分 | 水風呂に慣れた人 |
| 10℃以下 | 痛いほど冷たい(「シングル」と呼ばれる) | 15〜30秒 | 慣れた人でも短く。無理に入る必要はない |
水温によって体の反応そのものが変わることも、研究で示されています。前出の実験では、1時間浸かったときに、32℃では心拍数と血圧が下がり、20℃でも心拍数と血圧は下がった一方で代謝は93%上がりました。14℃になると心拍数と血圧が上がり、代謝は350%増えています(Šrámek ら, 2000)。冷たいほど体への刺激が強くなるので、はじめはぬるめの水風呂から慣れていくのが無難です。
3-1. 時間より「体のサイン」で出る
同じ水温でも、サウナでどれだけ温まったか、体格、その日の体調で冷え方は変わります。時計を見るより、次のサインを目安に出るほうが自分に合った時間になりやすいです。
- 出てよいサイン:入った直後の荒い呼吸が落ち着いた/体の表面がしっかり冷えて、熱さが抜けた/首の後ろや胸のあたりがすっと冷えた
- すぐ出るサイン:体が震えだした/手足の指がしびれる・痛い/動悸や胸の苦しさがある/頭がぼんやりする
出るのが早すぎると体に熱がこもったままで、休憩がただだるいだけになりがちです。逆に冷えすぎると、休憩中に寒くて落ち着けません。どちらも「ととのわない」よくある原因です。
3-2. 「羽衣」とは:じっとしていると冷たさがやわらぐ
水風呂でじっとしていると、肌のまわりの水が体温で少しだけ温まり、薄い層のようになります。サウナ好きの間で「羽衣」と呼ばれるもので、この層があると冷たさが少しやわらぎます。
水の中で手足を動かしたり、水流の強い場所にいたりすると層が崩れ、冷たさが一気に戻ります。冷たさが苦手な人は、入ったらなるべく動かずにいると楽になります。逆に「もっと冷やしたい」ときは、手足を軽く動かすと冷えやすくなります。
4. 水風呂の正しい入り方6ステップ(かけ水・呼吸)
水風呂の怖さやつらさは、入り方でかなり変わります。体への負担を減らしながら、きちんと冷やせる手順を順番に紹介します。
- サウナを出たら、ぬるめのお湯かシャワーで汗を流す:汗を流すのはマナーでもあり、熱い体をいきなり冷水にさらさないための一段階目でもあります。
- 手足から順にかけ水をする:心臓から遠い足先・手先から、ひざ・腕、最後に肩や胸へと、洗面器や手おけで水をかけて体を冷たさに慣らします。
- 息を吐きながら、ゆっくり足から入る:飛び込まず、一歩ずつ入ります。冷たさで思わず息を止めたり吸い込んだりしやすいので、「ふーっ」と長く吐きながら沈みます。
- 肩(首)まで浸かって、じっとする:頭や顔はつけません。動かずにいると羽衣ができて、冷たさがやわらぎます。
- 呼吸が落ち着き、体の表面が冷えたら出る:時間の目安は水温別の表のとおりです。震えが出る前に出ます。
- 体をふいて休憩へ:出たらタオルで水気をふき、座れる場所で5〜10分休みます。冷えたまま立ち続けないことが大切です。
4-1. 呼吸のコツ:吐く息を長くする
冷たい水に入った瞬間、人の体は反射的に大きく息を吸い込み、呼吸と心拍が速くなります。20℃の水に入った研究でも、この「息をのむ反応」と呼吸の乱れ、心拍の上昇が参加者で確かめられています(Yankouskaya ら, 2023)。
この反応は入った直後がいちばん強いので、そのあいだは吸うことより吐くことを意識して、ゆっくり長く息を吐いてください。数回くり返すうちに呼吸が落ち着いてきます。息を止めて我慢するのは逆効果です。
4-2. 水風呂のマナー
水風呂はほかの人と共有する場所なので、体への安全とあわせてマナーも押さえておきましょう。
- 汗を流してから入る(汗をつけたまま入らない)
- 頭まで潜らない・顔を洗わない
- 勢いよく飛び込まない、水をはね上げない
- 混んでいるときは長く占領しない
- タオルを水につけない
施設ごとのルールもあるので、掲示を確認してください。サウナ全体のマナーはサウナのマナーにまとめています。
5. 水風呂の危険:急に入ると血圧200mmHg
水風呂は正しく入れば心地よいものですが、入り方を間違えると体に大きな負担がかかります。どんな危険があり、誰が特に注意すべきかを知っておけば、怖がりすぎずに安全に楽しめます。
5-1. サウナ直後に急に入ると、血圧が大きく上がる
消費者庁の注意喚起「サウナ浴での事故に注意」(2024年6月)は、サウナの直後に突然水風呂に浸かると、急な温度差で交感神経が刺激されて血管が縮み、血圧が200mmHg程度まで上がったという報告もあると紹介しています。これにより脳卒中や心筋梗塞、狭心症を起こすおそれがあり、脈が遅くなる不整脈で意識を失うこともあるとしています。
消費者庁は、動脈硬化が進みやすい中高年や高齢者、血圧の高い人、心臓の病気がある人が特に危険で、若い人でも冷水による急な強い刺激で不整脈が起きる可能性があるとしています。水風呂に入ると動悸がする、胸が苦しくなる人は、水風呂に入らないほうがよいとも書かれています。ぬるいお湯で汗を流し、手足にかけ水をして少しずつ慣らしてから入ってください。
同じ注意喚起では、消費者庁に寄せられたサウナの事故82人分も分析されています。40歳未満はやけどや切り傷などの外傷がほとんどだったのに対し、40歳以上では外傷のほか「めまい・意識障害」や「循環器障害」も含まれていました。年齢が上がるほど、温度差そのものへの備えが大切になります。
5-2. 顔をつけて息を止めるのは避ける
水風呂で頭まで潜るのは、マナーだけでなく体の面でもおすすめできません。冷たい水に浸かると心拍を速める反応(コールドショック)が起き、顔が水につかって息を止めると、今度は心拍を遅くする反応(潜水反射)が起きます。この2つが同時に強く働く「自律神経の衝突」が、健康な人でも不整脈を起こし、もともと弱い人では突然死につながる可能性があると、英国の研究者が指摘しています(Shattock & Tipton, 2012)。首まで浸かれば冷却には十分です。
5-3. 水風呂に入らない・主治医に確認したほうがよい人
消費者庁の注意喚起では、医師のコメントとして次の人に注意を促しています。水風呂だけでなくサウナ全体についての内容です。
| 区分 | 該当する場合 |
|---|---|
| 利用を避ける | 体調不良・発熱があるとき、重い心臓や肺の病気がある人、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いを含む) |
| 主治医に確認してから | 脳卒中の後の人、心臓の病気や高血圧で治療中の人、妊娠中の人 |
| 水風呂は控える | 水風呂に入ると動悸がする・胸が苦しくなる人 |
お酒を飲んだ後は特に注意が必要です。飲酒しながらのサウナは、低血圧や不整脈、突然死のリスクを高めると指摘されています(Hannuksela ら, 2001)。サウナと水風呂のリスク全般はサウナの危険とデメリットで詳しく解説しています。
5-4. 冷えすぎ(低体温)のサイン
水風呂で長く我慢すると、体の芯まで冷えすぎることがあります。震えが止まらない、手足に力が入りにくい、ろれつが回りにくい、頭がぼんやりする、といったサインが出たら、すぐに出て体をふき、温かい場所で休んでください。冷水浴の研究でも、筋肉痛への効果は長く浸かると見られなかったように、長く入るほどよいということはありません。
6. 水風呂で風邪をひく?
「水風呂に入ると風邪をひきそう」「逆に風邪をひかなくなる」という話はどちらもよく聞きますが、研究でわかっていることは限られています。わかっている範囲を整理しておきます。
まず、水風呂で風邪をひく・ひかないを直接比べた研究は見当たりません。近い研究としては、冷水シャワーを30日続けた3,018人の試験で、自己申告の病欠は29%少なかったものの、病気になった日数には差がありませんでした(Buijze ら, 2016)。冷水浴の試験をまとめた分析でも、浸かった直後や1時間後に免疫の指標がはっきり変わったという結果は出ていません(Cain ら, 2025)。
つまり「水風呂で免疫が上がって風邪を防げる」とは言えず、「水風呂が風邪の原因になる」と示す研究も見当たりません。現実的には、次のような「冷えたまま過ごす時間」を減らすことが、体調を崩さないための対策になります。
- 水風呂から出たら、すぐにタオルで水気をふく
- 寒い季節の外気浴は短めにし、体が冷えきる前に室内に戻る
- 最後のセットのあとは、ぬるめのお湯で体を温めてから上がってもよい
- 入浴後は体を冷やさないようすばやく服を着て、休憩スペースでしばらく休む
消費者庁の注意喚起でも、入浴を終えたら体を冷やさないようにすばやく水滴をふき取って服を着て、血圧が安定するまで30分ほど休むよう案内されています。熱がある、喉が痛いなど、すでに体調が悪いときは、サウナも水風呂も避けてください。
7. 水風呂が苦手・水風呂がない施設での代わり
水風呂は、入らなければいけないものではありません。消費者庁の注意喚起も「サウナの利用で大切なことは体を温めること」とし、苦手な人は無理に入らず、サウナと外気浴を交互にする入り方も検討するよう案内しています。水風呂の代わりになる方法を、冷え具合の強さ順に並べました。
| 方法 | 冷え具合 | やり方のコツ | 向いている人・場面 |
|---|---|---|---|
| 外気浴だけ | 弱い | 汗を流して体をふき、風の当たる場所で座って休む | 水風呂が苦手な人、冷えやすい人 |
| ぬるめのシャワー | 弱め | 体温より少し低い温度から、手足→体の順に | はじめての人、冬場 |
| かけ水・冷水シャワー | 中くらい | 足先から順に、首の後ろや脇の下まで1〜2分かけて | 水風呂がない施設、ジムのサウナ |
| ぬるめの水風呂(20℃以上) | 中くらい | 2〜3分、じっとして羽衣をつくる | 水風呂に慣れる途中の人 |
| ふつうの水風呂(16〜19℃) | 強い | かけ水をして、息を吐きながら1〜2分 | 慣れた人 |
7-1. 水風呂が苦手な人の慣れ方
水風呂が怖い人は、いきなり冷たい水風呂に挑戦するより、段階を踏むほうが続けやすくなります。最初は外気浴やぬるめのシャワーだけで、次に足だけ水風呂につける、腰まで入る、肩まで数十秒、と少しずつ広げていきます。
サウナでしっかり温まってから入ると、冷たさを感じにくくなります。汗が出る前に水風呂へ向かうと、冷たさだけが際立ってつらくなりがちです。施設に水温の違う水風呂が2つある場合は、ぬるいほうから試してみてください。
7-2. 水風呂がない施設・自宅での代わり
ジムやホテルのサウナには水風呂がないこともあります。その場合は、冷水シャワーを足先から順に当て、首の後ろ・脇の下・太ももの付け根など、太い血管が通る場所まで冷やすと効率よく冷えます。冷水シャワーは水風呂ほど一気には冷えないので、少し長めに1〜2分かけるのが目安です。
自宅では、湯船にぬるめの水をためて水風呂代わりにする方法もありますが、家庭の水道水の温度は季節で大きく変わります。冬は水が冷たすぎることがあるので、水温を確かめ、短い時間から試してください。家庭の浴室は脱衣所との温度差も大きいため、出たあとは体を冷やさないように気をつけましょう。
8. 水風呂の後の休憩とセットの組み方
水風呂の効果を生かすかどうかは、その後の休憩で決まります。水風呂だけを頑張っても、休憩が短いと体が落ち着く前に次のセットへ進んでしまいます。
水風呂から出たら、体をふいて5〜10分、座れる場所で休みます。外の空気に当たれる施設なら、外気浴がおすすめです。外気浴の場所の選び方や、寒い日の過ごし方は外気浴のやり方で解説しています。
| 段階 | 時間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| サウナ | 5〜12分 | 汗が出て、体の芯まで温まったと感じたら出る |
| 水風呂 | 水温別の表のとおり(16〜19℃なら1〜2分) | かけ水をしてから、息を吐きながら |
| 休憩 | 5〜10分 | 体をふいて座る。ととのう感覚はここで来る |
これを1セットとして、2〜3セットくり返すのが基本です。サウナ室の温度、水風呂の温度、使える時間によって配分は変わるので、自分の条件で時間を出したいときは自分に合うサウナ時間診断を使ってみてください。
8-1. 水風呂の冷え具合は心拍で振り返れる
水風呂に入ると心拍は一時的に乱れ、休憩中に落ち着いていきます。サウナで上がった心拍数が、水風呂と休憩のあとどこまで戻ったかを見ると、冷えが足りなかったのか、冷えすぎたのかを振り返る手がかりになります。サウナ中の心拍数の目安はサウナの心拍数の目安にまとめています。
ととのい時計は、iPhone・Apple Watch・Android で使えるサウナ記録アプリです。高温浴・水風呂・休憩の3つのタイマーがあり、Apple Watch で測った心拍から、温まり・冷え・回復・時間バランスの4つの要素で0〜100の「ととのいスコア」を出します。セットごとの心拍グラフで、水風呂の前後の変化も振り返れます。
9. よくある質問
水風呂は何分入ればいい?
一律の正解はなく、水温と慣れで変わります。16〜19℃前後なら1〜2分、15℃以下なら30秒〜1分がひとつの目安です。時間より、呼吸が落ち着いて体の表面がしっかり冷えたと感じたら出る、という体のサインを優先してください。震えが出る・手足がしびれるほど長く入るのは冷えすぎです。
水風呂に入らないと、サウナの効果はない?
そんなことはありません。消費者庁の注意喚起でも、サウナで大切なのは体を温めることで、水風呂が苦手な人は無理に入る必要はなく、サウナと外気浴を交互にする入り方も検討するよう案内されています。冷水シャワーや外気浴だけでも、体の熱を逃がして休憩に移ることはできます。
水風呂で風邪をひくって本当?
水風呂で風邪をひく・ひかないを直接調べた研究は見当たりません。冷水シャワーを30日続けた3,018人の試験では、自己申告の病欠が29%少なかった一方、病気の日数そのものには差がありませんでした。風邪予防の効果も、風邪をひく原因になるという話も、はっきりしたことは言えません。冷えたまま長く過ごさないことが現実的な対策です。
水風呂で頭まで潜ってもいい?
避けてください。多くの施設でマナー違反とされているうえ、冷たい水に顔をつけて息を止めると、心拍を速める反応と遅くする反応が同時に起き、不整脈につながる可能性が指摘されています。首まで浸かれば冷却には十分です。
水風呂で痩せる?
水風呂だけで痩せると示した研究は見当たりません。冷たい水では代謝が上がり、冬の水泳とサウナを習慣にしている人は寒さで熱をつくる力が高かったという研究はありますが、体重が減ったことを示したものではありません。
水風呂の後に体が赤白のまだらになるのは大丈夫?
「あまみ」と呼ばれるもので、冷えて縮んだ皮膚の血管が場所ごとにばらばらに広がるために出ると説明されています。多くは数分〜十数分で消えます。かゆみや痛みが強い、なかなか消えない場合は冷えすぎのことがあるので、次は水風呂を短くしてください。
10. まとめ
水風呂は、サウナの熱を逃がし、休憩で心地よさを感じるための大切な工程です。一方で、急に入ると体に大きな負担がかかります。最後にポイントを振り返ります。
- 効果は熱を逃がす・目が覚める・ととのう落差・筋肉痛の軽減・ストレスや睡眠の変化の5つ。ただし多くは小規模な研究や、水風呂とは条件の違う実験にもとづく
- 免疫・美肌・痩せる・自律神経が治る、は研究で確かめられていない
- 時間は水温しだい。16〜19℃なら1〜2分、15℃以下なら30秒〜1分が目安で、震える前に出る
- 汗を流し、手足からかけ水をして、息を吐きながらゆっくり入る。頭まで潜らない
- サウナ直後に急に入ると血圧が200mmHg程度まで上がった報告がある。苦手なら外気浴やシャワーで代わりにしてよい
次のサウナでは、まず水風呂の温度を確かめて、表の目安時間を参考に、かけ水から始めてみてください。サウナの入り方の基本とあわせて使うと、自分に合った水風呂の時間が見つけやすくなります。