サウナと筋トレはどっちが先?順番の正解を論文20本からわかりやすく解説【筋トレ後の水風呂の落とし穴も】効果・何分空けるか・ジムでの時間配分表つき

公開 2026-10-03・更新 2026-10-03・GolfCounter 編集部(ととのい時計 開発チーム)

結論

順番は「筋トレ → 15〜30分休んで水分補給 → サウナ」が基本です。サウナを先にすると、汗による脱水と体温の上昇で筋トレの後半のセットの力が落ちやすくなります。筋トレの後のサウナは、筋肉痛や回復感が楽になったという試験がある一方、筋肉そのものを増やす上乗せは確かめられていません。また筋肥大を狙うなら、筋トレ直後に冷たい水へ長く浸かるのは避けたほうがよい、という研究が複数あります。

「ジムにサウナがあるけど、筋トレの前と後、どっちに入るのが正解?」

「サウナや水風呂で、せっかくの筋トレの効果が落ちたりしない?」

トレーニングの後にサウナで汗を流すのは気持ちいいものの、筋肉に良いのか悪いのか、はっきりしないまま入っている方も多いのではないでしょうか。調べてみても「成長ホルモンが出る」「ヒートショックプロテインで筋肉が増える」と、根拠の示されていない説明が目立ちます。そこでこの記事では、筋トレとサウナ・水風呂の組み合わせを調べた論文20本のアブストラクトを読み、順番による違い、効果があると言えること・言えないことを、研究の条件ごとに整理しました。ジムのサウナで使える時間配分表や水分補給の目安までまとめています。ぜひ参考にしてください。

すぐ時間配分を決めたい方へ:筋トレの後に何セット入るかは、自分に合うサウナ時間診断で、経験とサウナ室・水風呂の温度から組み立てられます。この記事のジムでの時間配分表とあわせてどうぞ。サウナの効果全体はサウナの効果を研究でまとめた解説で整理しています。

1. 筋トレとサウナはどっちが先?順番の比較

まずは一番気になる順番の答えです。「筋トレ→サウナ」と「サウナ→筋トレ」で、体にどんな違いが出るかを研究から比べました。

比べる点筋トレ → サウナサウナ → 筋トレ
筋トレの質万全の状態で追い込める脱水と体温上昇で後半のセットが落ちやすい
水分筋トレ後に補給してから入れる汗で水分が減った状態で筋トレをすることになる
研究の数筋トレ・運動の後のサウナを調べた試験があるサウナの後に筋トレをして効果を比べた試験は見当たらない
注意点運動直後は避け、落ち着いてから入るふらつき・のぼせのまま重いものを扱う危険
おすすめ度基本はこちらおすすめしない

1-1. サウナを先にすると筋トレの力が落ちやすい理由

サウナを先にすると困るのは、主に「脱水」と「体温の上がりすぎ」の2つです。フィンランド式サウナでの汗の量は1時間あたり0.6〜1kgほどとされています(Leppäluoto, 1988)。同じレビューでは、80℃のサウナに30分いると直腸温(体の中心の温度)が約0.9℃上がるとされています。

筋トレを習慣にしている男性7人で、体の水分の状態だけを変えて比べた実験では、体重の約2.5%分の脱水でスクワット6セットのうち2〜3セット目の仕事量が落ち、約5%の脱水では2〜5セット目まで落ちました(Judelson ら, 2007)。1回目のジャンプや最大の力は大きく変わらなかったので、脱水は「1発の力」より「セットを重ねる力」を削ると考えるとわかりやすいです。

体温についても、筋肉の温度が1℃上がると短い運動のパフォーマンスは2〜5%上がる一方で、体の中心の温度まで上がると(高体温)その関係は崩れ、パフォーマンスはむしろ落ちるとまとめられています(Racinais ら, 2010)。サウナは筋肉だけでなく体の中心まで温めるので、筋トレ前の準備としては温めすぎになりやすいのです。

1-2. 「サウナでウォームアップ」はどうなのか

筋肉を温めると動きやすくなるのは確かなので、「筋トレ前にサウナで体を温める」という考え方もあります。ただ、筋トレの前にサウナに入って効果を比べた試験は、私たちが調べた範囲では見当たりませんでした。体の中心の温度を上げずに筋肉だけを温めたいなら、軽いバイクや軽い重量でのアップのほうが目的に合っています。どうしても先に入る場合は、汗をかく前に出る程度の短時間にとどめ、水分をとってから筋トレに移ってください。

2. 筋トレ後のサウナの効果:研究でわかっていること

筋トレの後にサウナを足すと何が変わるのかを、実際に比べた試験から整理します。「どの研究で、どんな条件で、何が変わったか」を見ると、期待してよいことと期待しすぎなことが分かれます。

研究対象・条件結果
Ahokas ら, 2023男性バスケットボール選手16人。筋トレ後に赤外線サウナ(約43℃)20分 vs 座って休む翌朝のジャンプの落ち込みが小さく、筋肉痛が軽く、回復した感じも高かった
Mero ら, 2015男性10人。60分の筋肥大向け筋トレの後に遠赤外線サウナ(35〜50℃)30分筋トレ後の力の回復はサウナなしと差がなかった(持久走の後はジャンプが高かった)
Ahokas ら, 2025女性チーム競技選手40人。6週間の筋トレの後に赤外線サウナ(50℃・10分・週3回)筋肥大の伸びに差はなし。荷重ジャンプのパワーは伸びた可能性
Scoon ら, 2007男性長距離ランナー6人。練習直後に約90℃の湿ったサウナに約31分、3週間で約13回疲れ切るまで走れる時間が32%延び、血漿量(血液の液体成分)が7.1%増えた
Lee ら, 2022運動習慣の少ない47人。8週間、運動(筋トレ+有酸素)の後に15分のサウナ vs 運動のみ運動のみより最大酸素摂取量が約2.7mL/kg/分多く伸び、収縮期血圧が約8mmHg低かった

2-1. 筋肉痛・回復感:楽になったという試験はある

筋トレの直後に赤外線サウナで20分過ごした選手は、ただ座って休んだ場合に比べて筋肉痛が軽く、翌朝のジャンプの落ち込みも小さかったと報告されています(Ahokas ら, 2023)。心拍のゆらぎで見た自律神経の回復に悪影響も見られませんでした。

ただし使われたのは約43℃の赤外線サウナで、80〜100℃の日本のジムによくあるドライサウナとは熱さがまったく違います。また別の試験では、筋トレの後に遠赤外線サウナに入っても、力の回復はサウナなしと変わりませんでした(Mero ら, 2015)。筋肉痛が楽になる人もいる、という程度に受け止めるのが正確です。

2-2. 筋肥大・筋力:上乗せは確かめられていない

筋肉を大きくしたい人にとって一番知りたいのはここですが、6週間の筋トレの後に毎回サウナを足した試験では、太ももの筋肉の太さの伸びはサウナありとなしで差がありませんでした(Ahokas ら, 2025)。荷物を背負ったジャンプのパワーは伸びた可能性が示されていますが、筋肥大そのものへの上乗せは出ていません。

逆に言えば、筋トレの後にサウナに入っても筋肥大の邪魔はしなかったということでもあります。サウナが好きな人が、筋トレの効果を気にしてやめる理由は今のところ見当たりません。

2-3. 持久力・心肺機能:上乗せを示す試験がある

筋力より研究で成果が出ているのは、持久力や心肺機能のほうです。ランナーが練習後にサウナを3週間続けると、走れる時間が32%延び、血液の量が増えていました(Scoon ら, 2007)。ただし参加者は6人の競技ランナーで、練習の直後に約90℃のサウナに30分前後という、一般の人にはすすめられない条件です。

一般の人を対象にした試験でも、運動の後に15分のサウナを8週間足したグループは、運動だけのグループより体力(最大酸素摂取量)と血圧の改善が大きかったと報告されています(Lee ら, 2022)。体脂肪の減り方への上乗せは報告されていないので、減量目的の人はサウナでのダイエットの解説もあわせて読んでみてください。

2-4. 研究をまとめたレビューの結論

運動後に体を温める方法(サウナや熱いお湯)を調べた14の試験、合計194人をまとめた2025年の系統的レビューでは、すぐあとの回復への影響は「効果なし4件・良い効果4件・悪い効果1件」とばらばらで、証拠の質は低〜中程度とされました(Ahokas ら, 2025)。結論は「現時点では、はっきりした結論は出せない」です。

この章のまとめ:筋トレ後のサウナは、筋肉痛や回復感が楽になる可能性があり、持久力や血圧には上乗せの報告もあります。一方で、筋肉を増やす効果は確かめられていません。「筋トレの効果を高めるため」ではなく、「気持ちよく回復するため」に入るものと考えるのが、研究と合った付き合い方です。

3. 「成長ホルモン」「ヒートショックプロテイン」で筋肉は増える?

筋トレとサウナの記事でよく見かける2つの説明を、元になった研究の条件と照らし合わせます。どちらも「体の中で何かが増える」のは本当でも、「だから筋肉が増える」まではつながっていません。

3-1. 成長ホルモンは増えるが、条件は「1時間を1日2回」

サウナで成長ホルモンが増えるという話の元になっているのは、80℃のサウナに1時間、1日2回、7日間入った実験です(Leppäluoto ら, 1986)。男性の成長ホルモンは最大で約16倍に上がりましたが、3日目以降は上がり方が小さくなり、テストステロンには変化がありませんでした。

ふつうのサウナの10分前後とはかけ離れた条件で、しかも著者自身が、ホルモンの上昇には暑さによる脱水が関係しているかもしれないと書いています。成長ホルモンが一時的に増えても、それで筋肉が増えたことを確かめた研究ではありません。

3-2. ヒートショックプロテイン:脚を毎日8時間温めた研究

ヒートショックプロテイン(熱で増える、たんぱく質を守るたんぱく質)が筋肉を守る・増やすという説明は、主に動物実験から来ています。人での研究としては、運動をせずに太ももを1日8時間・週4日・10週間温め続けたところ、温めた脚の筋肉の太さが約3〜6%、力が約6%増えたという報告があります(Goto ら, 2011)。

興味深い結果ですが、サウナの十数分とは熱の量がまったく違います。筋トレの直後に脚を46℃のお湯に20分浸けた実験では、筋肉の温度は上がったものの、筋肉のたんぱく質がつくられる速さは変わりませんでした(Fuchs ら, 2020)。

よく聞く説明研究での位置づけ
サウナで成長ホルモンが出て筋肉が増えるホルモンが上がった実験はあるが、条件は1時間×1日2回。筋肉が増えたとは示されていない
ヒートショックプロテインで筋肥大何時間も温め続けた研究や動物実験が中心。サウナでの上乗せは確かめられていない
筋トレ後のサウナで筋肉の合成が高まる熱いお湯で温めても合成の速さは変わらなかった
筋トレ後のサウナで筋肉痛が楽になる赤外線サウナで軽くなった試験がある(小規模・条件限定)
筋トレ後のサウナで血流がよくなり疲れが取れる血流が増えるのは確か。疲労回復を早めるかは結果がばらばら

4. 筋トレ後の水風呂は要注意:筋肥大を弱める研究

サウナそのものより、筋トレをする人が気にしたほうがいいのは水風呂です。筋トレの直後に冷たい水へ浸かることを続けると、筋肉の太さの伸びが小さくなるという研究が複数あります。

4-1. 冷水浴で筋肉の伸びが小さくなった試験

研究条件結果
Roberts ら, 2015男性21人、12週間・週2回の筋トレ。毎回の後に10分の冷水浴 vs 軽い運動でクールダウンクールダウンのグループは速筋線維の太さが17%増えたが、冷水浴のグループは増えなかった。筋力の伸びもクールダウンが上回った
Fyfe ら, 2019男性16人、7週間・週3回の筋トレ。毎回の後に10℃の水に15分 vs 23℃で休むレッグプレスの最大重量の伸びは同じだったが、速筋線維の太さの伸びが小さかった
Malta ら, 202115℃以下の冷水浴を練習と組み合わせた8本の研究のメタ分析筋トレと組み合わせると最大筋力などの伸びにマイナス。持久系の練習では差なし

筋トレの後、筋肉の中では「筋肉をつくれ」という信号が強まり、筋肉のもとになる細胞(サテライト細胞)が増えます。冷水浴をした場合は、この信号や細胞の増え方が抑えられていました(Roberts ら, 2015)。筋トレで生まれた「成長のきっかけ」を、冷やすことで弱めてしまう可能性があるということです。

4-2. 筋肉痛には効くので、目的で使い分ける

一方で冷水浴は、筋肉痛を減らす方法としては研究の裏付けがあります。44の試験をまとめたメタ分析では、冷水浴は何もしない場合より筋肉痛を軽くし、効果が見られたのは短め〜中くらいの浸水時間で、長く浸かると後から来る筋肉痛への効果は見られませんでした(Batista ら, 2023)。

その日の目的筋トレ後の水風呂の考え方
筋肉を大きくしたい(筋肥大の時期)筋トレ直後に冷たい水へ長く浸かるのは避ける。水風呂はぬるめのシャワーや短時間にとどめる
翌日も試合・練習がある(回復優先)筋肉痛を減らす目的なら、短め〜中くらいの時間の冷水が選択肢になる
持久系の練習の日冷水浴が持久力の伸びを邪魔したという結果は出ていない
ととのいを楽しみたい日筋トレをしない日のサウナで、ふだんどおり水風呂に入る

研究の条件に注意:上の試験はいずれも、10℃前後の冷水に10〜15分浸かる条件です。サウナの後の水風呂で数十秒〜1分入る程度でも同じことが起きるのかは、確かめた研究が見当たりません。「水風呂に入ったら筋肉が育たない」とまでは言えないので、筋肥大を最優先する時期だけ控えめにする、くらいの使い分けがおすすめです。

水風呂の温度と時間の目安、苦手な人の入り方は水風呂の入り方と効果で詳しく解説しています。

5. 何分空ける?ジムのサウナの時間配分表

ここからは、ジムで実際にどう組み立てるかです。消費者庁の注意喚起(2024年6月)では、運動の直後はサウナの利用を避けるべきタイミングの1つに挙げられています。筋トレの後は、息と心拍が落ち着くまで休んでから入りましょう。

5-1. 筋トレからサウナまでの流れ

  1. 筋トレ:ふだんどおりのメニューをこなします。途中もこまめに水分をとります。
  2. クールダウンと水分補給(15〜30分):ストレッチをしながら、コップ1〜2杯の水やスポーツドリンクをとります。汗が引き、呼吸が落ち着くのが目安です。
  3. シャワー:汗を流して体をふきます。
  4. サウナ:下段で5〜8分ほど。筋トレの後は体が疲れているので、ふだんより短めにします。
  5. 水風呂・シャワー:筋肥大の時期はぬるめのシャワーや短めに。かけ水をしてから入ります。
  6. 休憩:5〜10分座って休みます。立ち上がるときはゆっくり。
  7. 1〜2セットで終える:最後にもう一度水分をとります。

5-2. 使える時間別の配分表

何分空けるかについて公的な基準はないため、下の表は上の流れに沿った目安です。筋トレの後はすでに体力を使っているので、サウナはふだんより1セット少なめが無難です。

ジムにいる時間筋トレクールダウン・水分サウナセット数
60分35分15分サウナ5分→水風呂/シャワー→休憩5分1セット
90分50分15〜20分サウナ6〜8分→水風呂/シャワー→休憩5〜10分1〜2セット
2時間60分20〜30分サウナ6〜8分→水風呂/シャワー→休憩10分2セット
筋トレなしの日なし入る前に水分ふだんどおり2〜3セット

サウナ室の温度ごとの時間の目安はサウナの入り方(何分・何セット)に、筋トレのない日も含めた通う頻度の考え方はサウナに毎日入っていいかの解説にまとめています。

5-3. 筋トレの後は心臓にも「もう1つ運動」が乗る

サウナは座っているだけでも心臓に負荷がかかります。80℃のサウナで心拍数は約60%、100℃では約90%上がり(Kukkonen-Harjula ら, 1989)、93℃に25分いたときの心臓の負荷は60〜100ワットの中程度の運動に相当すると報告されています(Ketelhut ら, 2019)。

つまり筋トレの後のサウナは、運動の後にもう1つ軽い運動を足すのに近い状態です。筋トレで追い込んだ日ほど、サウナは短く、セット数は少なくするのが体にやさしい組み立て方です。心拍の上がり方の目安はサウナの心拍数の目安で解説しています。

6. 脱水と水分補給:筋トレ+サウナで失う水分

筋トレとサウナを続けて行うと、汗をかく機会が2回重なります。水分の管理は、筋トレの質と安全の両方に関わる一番大事なポイントです。

前の章で紹介したように、体重の約2.5%分の脱水で筋トレの後半のセットのパフォーマンスが落ちました(Judelson ら, 2007)。体重別にすると、2.5%は次の量にあたります。

体重体重の2.5%サウナの汗の量(1時間0.6〜1kg)との比較
50kg約1.25kgサウナだけで1時間強に相当
60kg約1.5kg筋トレの汗と合わせると届きうる量
70kg約1.75kg筋トレの汗と合わせると届きうる量
80kg約2kg長い筋トレ+サウナ数セットで届きうる量

汗の量は人や環境で大きく違うので、表はあくまで目安です。自分の量を知るには、ジムに来たときと帰るときに体重を測るのがいちばん確実です。減った分の多くは水分なので、こまめに補いましょう。

  • 筋トレの前:コップ1杯ほど飲んでから始める
  • 筋トレ中:セットの合間にこまめに少しずつ
  • サウナの前:クールダウン中にコップ1〜2杯
  • サウナの後:もう一度コップ1〜2杯。汗を多くかいた日は塩分を含む飲み物も

「サウナで落ちた体重=痩せた」ではない点にも注意してください。減った体重の多くは水分なので、飲めば戻ります。

7. プロテイン・食事のタイミング

「筋トレ後30分以内にプロテインを飲まないと意味がない」と考えて、サウナとの順番に迷う方もいるかもしれません。結論から言うと、サウナの前でも後でも大きな差はないと考えてよいです。

筋トレの前後のたんぱく質のタイミングを調べた20以上の試験をまとめたメタ分析では、ほかの条件をそろえて比べると、タイミングによる筋力・筋肥大の差は見られませんでした。筋肥大に最も強く関係していたのは、1日にとるたんぱく質の総量でした(Schoenfeld ら, 2013)。

タイミング考え方
筋トレ直後(サウナの前)クールダウン中に水分と一緒に飲むと手軽。満腹になるほどの量は避ける
サウナの後まず水分をとってから。サウナの後に食事をとるならそこで十分
大事なことタイミングより、1日の総たんぱく質量を食事と合わせて確保すること

なお消費者庁は食事の直後もサウナを避けるタイミングに挙げています。筋トレの後にしっかり食事をとるなら、サウナはその前にすませるか、食後は時間をあけてください。サウナの後のビールは、飲酒しながらのサウナが低血圧や不整脈、突然死のリスクを高めると指摘されている(Hannuksela ら, 2001)ことに加え、脱水した体にアルコールが入る形になるので、まず水分をとってからにしましょう。

8. 筋トレ×サウナで避けたいこと・注意が必要な人

筋トレとサウナはどちらも体に負荷をかけるので、組み合わせると負担は大きくなります。やりがちな失敗と、無理をしてはいけない人をまとめました。

避けたいこと理由
筋トレ直後、息が上がったままサウナへ消費者庁が利用を避けるよう呼びかけているタイミング。心拍が高いまま熱の負荷が乗る
サウナで汗を出してから筋トレ脱水と体温上昇で後半のセットの力が落ちる。ふらつきのまま重いものを扱う危険
追い込んだ日に、ふだんどおり3セット以上運動の後にさらに中程度の運動に近い負荷が重なる
筋肥大の時期に、筋トレ直後の長い冷水浴筋線維の太さの伸びが小さくなった研究がある
水分をとらずに筋トレ→サウナ汗の量が重なり、脱水が進みやすい
サウナで体重を落としてから計量・筋トレ落ちるのは主に水分。トレーニングの質と安全の両方が下がる

次に当てはまる人は、消費者庁の注意喚起(2024年6月)に沿って判断してください。

区分該当する場合
利用を避ける体調不良・発熱があるとき、重い心臓や肺の病気がある人、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いを含む)
主治医に確認してから脳卒中の後の人、心臓の病気や高血圧で治療中の人、妊娠中の人

サウナ中に息苦しさ、めまい、吐き気、強い頭痛、足のつりを感じたら、時間にかかわらずすぐに出て、涼しい場所で横になり水分をとってください。筋トレの後は体が疲れているぶん、ふだんより早く限界が来ることがあります。ケガで腫れや熱を持っている部位がある日は、温める前に医療機関やトレーナーに相談しましょう。サウナの危険をまとめたサウナの危険性とデメリットも参考にしてください。

9. 筋トレの日のサウナを記録して比べる

筋トレの後のサウナは、同じ時間でもふだんより心拍が上がりやすく、疲れ方も日によって違います。筋トレをした日としない日で、サウナ中の心拍や休憩での戻り方を比べてみると、自分に合った時間とセット数が見えてきます。

ととのい時計は、iPhone・Apple Watch・Android で使えるサウナ記録アプリです。高温浴・水風呂・休憩の3つのタイマーがあり、Apple Watch で測った心拍から、温まり・冷え・回復・時間バランスの4つの要素で0〜100の「ととのいスコア」を出します。セットごとの心拍グラフや履歴、施設名の記録もできるので、ジムのサウナとふだんの施設の違いも振り返れます。

10. よくある質問

筋トレとサウナはどっちが先がいいですか?

筋トレを先にして、サウナは後にするのが基本です。サウナで汗をかいて体温が上がった状態で筋トレをすると、脱水や体温の上昇で後半のセットの力が落ちやすいことが研究からわかっています。ただし消費者庁は運動の直後のサウナを避けるよう呼びかけているので、筋トレの後は15〜30分ほど休んで水分をとり、息と心拍が落ち着いてから入ってください。

サウナで筋肉は増えますか?

サウナだけで筋肉が増えるとは言えません。筋トレの後にサウナを足しても、筋肉の太さの伸びは変わらなかったという試験があります。脚を1日8時間温め続けると筋肉が少し太くなったという研究はありますが、サウナの10〜15分とは条件がまったく違います。筋肉を増やすのはあくまで筋トレと食事で、サウナは回復感や気分を整える役目と考えるのが研究と合います。

筋トレ後の水風呂は筋肉に悪いですか?

筋肥大を狙う人は注意が必要です。筋トレ直後に10〜15分の冷水浴を続けたグループは、何もしないグループより筋線維の太さの伸びが小さかったという試験が複数あり、メタ分析でも筋力の伸びにマイナスと報告されています。研究は10℃前後に10分以上浸かる条件なので、サウナの水風呂の数十秒〜1分にそのまま当てはまるかはわかっていません。気になる人は筋トレの日はぬるめのシャワーや短い水風呂にとどめると安心です。

筋トレ後、何分空けてからサウナに入ればいい?

何分と決めた公的な基準はありませんが、汗が引いて呼吸と心拍が落ち着くまで、目安として15〜30分休むのが無難です。その間にコップ1〜2杯の水分をとり、シャワーで汗を流してから入りましょう。消費者庁は「運動直後」を利用を避けるタイミングの1つに挙げています。

サウナは筋肉痛に効きますか?

筋トレ後に赤外線サウナに20分入ると、何もしない場合より筋肉痛が軽く、回復した感じも高かったという小規模な試験があります。一方で、別の試験では筋トレ後のサウナで力の回復に差が出ませんでした。研究をまとめたレビューも「はっきりした結論は出せない」としています。楽になる人もいる、くらいに考えておくのが正直なところです。

プロテインはサウナの前と後、どっちで飲む?

どちらでも大きな差はないと考えてよいです。筋トレ前後のたんぱく質のタイミングを調べたメタ分析では、タイミングより1日の総たんぱく質量のほうが筋肉の増え方に強く関係していました。サウナの後に飲む場合も、まず水分をとってから、食事やプロテインで1日に必要な量をとることを優先してください。

減量中にサウナで体重を落としてから筋トレしてもいい?

おすすめしません。サウナで落ちる体重の多くは水分で、体重の約2.5%分の脱水でスクワットの後半のセットのパフォーマンスが落ちたという研究があります。脱水した状態での筋トレは質が下がるうえ、ふらつきの危険もあります。減量の考え方はサウナでのダイエットの解説も参考にしてください。

11. まとめ

サウナと筋トレは、順番と水分補給さえ押さえれば、無理なく組み合わせられます。最後にポイントを振り返ります。

  • 順番は筋トレが先、サウナは後。サウナを先にすると脱水と体温上昇で筋トレの後半が落ちやすい
  • 筋トレの直後は避け、15〜30分休んで水分をとってからサウナへ
  • 筋トレ後のサウナは筋肉痛や回復感が楽になる可能性はあるが、筋肉を増やす上乗せは確かめられていない
  • 「成長ホルモン」「ヒートショックプロテイン」で筋肉が増えるという説明は、研究の条件がサウナとかけ離れている
  • 筋肥大の時期は、筋トレ直後に冷たい水へ長く浸かるのは控えめに
  • 体重の約2.5%の脱水で筋トレの質が落ちる。ジムの行き帰りに体重を測ると目安になる

次のジムでは、筋トレの後にまず水分をとって一息つき、ふだんより1セット少なめの配分で入ってみてください。筋トレをした日としない日の違いを記録しておけば、自分にちょうどいい入り方がわかってきます。