サウナで自律神経は整う?乱れる?93人の心拍変動研究からわかりやすく解説【逆効果になる6つのケースつき】「整う」の正しい意味と入り方

公開 2026-10-03・更新 2026-10-03・GolfCounter 編集部(ととのい時計 開発チーム)

結論

サウナでは、サウナ室と水風呂で交感神経が働き、休憩中に副交感神経が優位になる、という一時的な切り替えが起きます。93人の心拍変動(HRV)を測った研究では、休憩の終わりの心拍数が入浴前の77拍/分から68拍/分に下がり、副交感神経の指標が増えていました。ただし多くの指標は30分でほぼ元に戻る傾向で、「自律神経が整う(乱れが治る)」と確かめた研究は見当たりません。入りすぎ・寝不足・飲酒の後に入ると、かえって体に負担をかける逆効果になることもあります。

「サウナで自律神経が整うって聞くけど、本当なの?」

「サウナの後なのに眠れない。かえって自律神経が乱れている気がする」

疲れやストレスが続いて、サウナに期待して通い始めたものの、効いているのかどうかわからず迷っている方も多いのではないでしょうか。調べても「整う」「リセットされる」と書いてあるだけで、どのくらい、どんな仕組みで変わるのかまで説明している記事はあまりありません。そこでこの記事では、自律神経の働きを心拍のゆらぎ(心拍変動)で測った研究3本を中心に、サウナ・水風呂・休憩で交感神経と副交感神経がどう切り替わるのかを数字で追いました。「整う」という言葉がどこまで正しいのか、乱れる・逆効果になるのはどんなときかも、サウナ記録アプリ「ととのい時計」の開発チームとして正直に整理しています。ぜひ参考にしてください。

あわせて読みたい:サウナの効果全体を研究の強さで4段階に分けたサウナの効果と根拠の一覧と、休憩中の感覚そのものを解説したサウナで「ととのう」とはもどうぞ。

1. 自律神経とは?交感神経と副交感神経の役割

サウナと自律神経の関係を理解するために、まず自律神経が何をしている神経なのかを押さえておきます。ここがわかると、「整う」「乱れる」という言葉の意味が読み解きやすくなります。

自律神経は、心臓の拍動、血圧、体温、汗、消化など、自分の意思では動かせない体の働きを調節している神経です。活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経の2つがあり、場面に応じてどちらかが強く働くことで、体を状況に合わせています。

項目交感神経(活動モード)副交感神経(休息モード)
心拍数上がる下がる
血管縮む(皮膚など)ゆるむ
働きやすい場面運動・緊張・暑さや寒さの刺激食後・休憩・眠る前
サウナでいうとサウナ室・水風呂休憩(外気浴)

大切なのは、どちらか一方が「良い神経」というわけではないことです。必要なときに交感神経がしっかり働き、休むときには副交感神経に切り替わる、この切り替えのなめらかさが、一般に「自律神経のバランスが良い」と表現される状態です。ストレスや寝不足が続いて休むべき時間にも交感神経が高ぶったままになると、「自律神経が乱れている」と言われます。

2. サウナで自律神経が「整う」と言われる理由

サウナが自律神経に良いと言われるのは、1セットの中で交感神経と副交感神経がはっきり入れ替わるからです。サウナ室・水風呂・休憩のそれぞれで、体の中で起きていることを順に見ていきます。

2-1. サウナ室:暑さで交感神経が働き、心拍数が上がる

高温のサウナ室では、体は熱を逃がそうとして皮膚の血管を広げ、汗をかき、心臓は多くの血液を送り出します。健康な若い男性8人の実験では、80℃のサウナで心拍数が約60%、100℃では約90%上がり、交感神経から出るホルモンであるノルアドレナリンは約2〜4倍に増えました(Kukkonen-Harjula ら, 1989)。座っているだけでも、体は活動モードに入っています。

2-2. 水風呂:冷たさで交感神経がさらに強く刺激される

温まった体が冷たい水に触れると、皮膚の血管が一気に縮み、交感神経はさらに強く働きます。心不全・冠動脈疾患の患者と健康な人の計37人を調べた研究では、80℃のサウナを2回入った後に12℃の冷水に浸かると、どのグループでも収縮期血圧(上の血圧)が上がりました(Radtke ら, 2016)。水風呂は、交感神経にとっていちばん強い刺激の場面です。

2-3. 休憩:副交感神経が優位になり、心拍数が下がっていく

水風呂から出て座って休むと、高まっていた交感神経の働きが落ち着き、副交感神経が優位になっていきます。心拍数は下がり、血圧も入浴前より下がることがあります。73℃のサウナに30分入った102人の研究では、入浴直後の血圧が平均137/82mmHgから130/75mmHgに下がりました(Laukkanen ら, 2018)。

このように、強い刺激で交感神経を働かせた後、休憩で副交感神経に大きく切り替わるという流れが、「サウナで自律神経が整う」と表現される理由です。休憩中に体の力が抜けて頭がすっきりする「ととのう」感覚も、この切り替えの途中で起きると説明されています。詳しくはととのうの仕組みの解説を参照してください。

3. 心拍変動(HRV)の研究3本でわかったこと

「休憩で副交感神経が優位になる」は、実際に測って確かめられているのでしょうか。自律神経の働きを心拍から読み取る「心拍変動」を使った研究を3本、数字とともに紹介します。

3-1. 心拍変動(HRV)とは:心拍のゆらぎで自律神経を読む

心臓は一定のリズムで打っているように見えて、拍と拍の間隔は毎回わずかに違います。このゆらぎを心拍変動(HRV)と呼び、ゆらぎの中の速い成分(HF)は副交感神経、遅い成分(LF)は交感神経と副交感神経の両方の影響を受けるとされています。LFとHFの比(LF/HF)は、交感神経と副交感神経のどちらに傾いているかの目安として使われます。

自律神経そのものを直接測るのは難しいため、多くの研究はこの心拍変動を手がかりにしています。サウナの研究で「副交感神経が増えた」と書かれている場合、たいていは心拍変動の指標の変化を指しています。

3-2. 93人の研究:休憩の終わりに心拍数77→68、副交感神経の指標が増加

フィンランドの東フィンランド大学などのグループは、心血管のリスク因子(高血圧など)をもつ93人(平均52歳)に、73℃・湿度10〜20%のサウナに30分入ってもらい、入浴前・入浴中・入浴後30分の休憩で心拍変動を測りました(Laukkanen ら, 2019)。

  • サウナ中は心拍数が上がり、副交感神経(迷走神経)の成分が一時的に減った
  • サウナ後のクールダウン中は、LF成分が減り、HF成分(副交感神経の指標)が増えた
  • 休憩の終わりの安静時心拍数は68拍/分で、入浴前の77拍/分より低かった
  • ただし心拍変動の指標の多くは、30分の休憩でほぼ入浴前の値に戻る傾向だった

著者らは、休憩中に副交感神経が優位になり交感神経が弱まったことを「自律神経のバランスを好ましく調整した」と表現しています。一方で、この変化が長く続く健康効果につながるかは、今後のランダム化試験で確かめる必要があるとも書いています。

3-3. 日本の研究:サウナ+水風呂の直後に交感神経の指標が急に下がる

日本では、日本健康開発財団 温泉医科学研究所の早坂信哉氏らが、日本で流行している「サウナの後に水風呂」の入り方を調べています(早坂 ら, 2025, 日本健康開発雑誌)。男女16人に、90℃のサウナ5分→16℃の冷水1分→休憩5分を2回くり返してもらい、スマートウォッチ型の機器で心拍を測りました。

  • 心拍数は、入浴終了直後と30分後のどちらも入浴前より有意に低かった
  • 交感神経の指標は、サウナ温冷交代浴の直後に急に下がり、30分後は横ばいだった
  • 40℃の浴槽と16℃の冷水をくり返す入り方では、交感神経の指標は直後・30分後とゆるやかに下がった
  • 直後の交感神経の指標は、浴槽よりサウナのほうが有意に低かった

著者らは、高温のサウナから冷水という大きな温度差で交感神経が強く刺激され、その反動として交感神経が抑えられ副交感神経が高まった可能性を考察しています。サウナの後の強いリラックス感も、この変化によるものかもしれないとしています。

3-4. 反対の結果も:交感神経寄りの状態が長引いた研究

一方で、すべての研究で休憩中にすぐ副交感神経に切り替わったわけではありません。先ほどの37人の研究では、冠動脈疾患の患者と健康な人のグループで、1回目のサウナの後にLF/HF(交感神経寄りの目安)の上昇が長く続いていました(Radtke ら, 2016)。心不全の患者では変化がありませんでした。

研究対象入り方休憩中・入浴後の結果
Laukkanen ら, 2019リスク因子をもつ93人(平均52歳)73℃30分→休憩30分心拍77→68、副交感神経の指標が増加。多くは30分でほぼ元に戻る傾向
早坂 ら, 2025男女16人90℃5分→16℃冷水1分→休憩5分×2直後に交感神経の指標が急低下、心拍数も低下
Radtke ら, 2016男性37人(心不全・冠動脈疾患・健康な人)80℃×2回→12℃冷水冷水で血圧上昇。冠動脈疾患と健康な人で交感神経寄りが長引いた

3本を並べると、休憩中に副交感神経へ切り替わる傾向は複数の研究で見られるものの、切り替わり方は入り方や人によって違うことがわかります。どの研究も数十人規模で、サウナ室の温度や時間も実際の施設と同じとは限りません。数字は「どちらの向きに動くか」の目安として読んでください。

4. 「自律神経が整う」の正確な意味

研究の結果を踏まえて、「サウナで自律神経が整う」という言葉がどこまで正しいのかを整理します。期待しすぎて「効かない」とがっかりしないためにも、ここは押さえておいてください。

よくある言い方研究での位置づけ
休憩中に副交感神経が優位になる確かめられている(心拍変動の研究で複数報告。ただし例外あり)
サウナの後は心拍数・血圧が入浴前より下がる確かめられている(複数の研究)
自律神経がリセットされる言い過ぎ。指標の多くは30分ほどでほぼ元に戻る傾向
続ければ自律神経の乱れが治る確かめられていない。長期の効果を自律神経で測った試験は見当たらない
自律神経失調症が治る根拠なし。治療として調べた研究は見当たらない

4-1. 「整う」は一時的な切り替えのこと

研究でわかっているのは、サウナ1回の中で交感神経から副交感神経への切り替えが起き、休憩中しばらく副交感神経が優位な状態になることです。つまり「整う」の正確な意味は、ふだん切り替えにくい休息モードに、サウナの刺激をきっかけに一時的に入れるということです。翌日以降も自律神経が良い状態に保たれる、乱れた自律神経が作り直される、という意味ではありません。

ただし、休憩中に心拍数が下がり体がゆるむ時間があること自体は、忙しい毎日の中で意味のある時間です。「治す」ではなく「休むきっかけをつくる」と考えると、サウナとの付き合い方を誤りにくくなります。

4-2. 自律神経失調症とサウナ

自律神経失調症は、だるさ・頭痛・動悸・不眠など、はっきりした原因が見つからない不調をまとめて呼ぶときに使われる言葉です。同じような症状の背景に、甲状腺の病気やうつ病など別の病気が隠れていることもあります。不調が続いているなら、サウナで様子を見る前に医療機関で原因を確かめるのが先です。

動悸・めまい・息苦しさがある人が、高温のサウナや冷たい水風呂で心拍数や血圧を大きく動かすと、症状を悪化させるおそれがあります。治療中の人は、サウナに入ってよいか主治医に確認してください。

5. サウナで自律神経が乱れる・逆効果になる6つのケース

サウナは交感神経を強く働かせる刺激なので、入り方や体調によっては、休むはずが体に負担をかけるだけの逆効果になります。「サウナの後かえって疲れる」「眠れない」という人は、次のどれかに当てはまっていないか確認してください。

ケース体で起きていること対処
① 長く入りすぎる・暑さを我慢する心拍数と体温が上がりすぎ、交感神経の刺激が強すぎる5〜12分の範囲で、しっかり温まったら出る
② 冷たい水風呂にいきなり・長く入る血圧が急に大きく上がるかけ水をしてから30秒〜2分。苦手ならシャワー
③ 休憩を飛ばして次のセットへ行く副交感神経に切り替わる前に、また刺激を受ける座って5〜10分休む
④ 寝不足・体調不良の日に入るもともと余裕のない体に、さらに負担をかけるその日は入らない・短く切り上げる
⑤ お酒を飲んでから・飲みながら入る低血圧・不整脈のリスクが高まるサウナの前と最中の飲酒はしない
⑥ 寝る直前に高温のサウナで終える交感神経寄りの状態が長引くと寝つきにくいことがある最後は短めにし、休憩を長めにとる

5-1. 入りすぎ:刺激が強いほど良いわけではない

80℃で湿度を上げ、限界まで入った実験では、心拍数が約130%(平常時の2倍以上)まで上がり、口の中の体温は約3.2℃上がりました(Kukkonen-Harjula ら, 1989)。刺激を強くすればそれだけ大きく切り替わる、という根拠はなく、のぼせやめまいの原因になります。ロウリュの直後など急に熱く感じたら、早めに出てください。

5-2. 水風呂の冷やしすぎ:血圧が200mmHg程度まで上がった報告も

消費者庁の注意喚起(2024年6月)では、サウナの直後に急に水風呂へ入ると、血圧が200mmHg程度まで上がったという報告が紹介されています。冷やしすぎると休憩中に寒くて体がこわばり、副交感神経に切り替わりにくくもなります。水風呂の入り方は水風呂の入り方と効果で詳しく解説しています。

5-3. 寝不足・飲酒:もともと乱れている日はさらに負担になる

寝不足や二日酔いの日に「サウナで整えよう」と考える人は少なくありませんが、これは逆効果になりやすい入り方です。消費者庁は、体調不良のときや飲酒後(二日酔いを含む)はサウナの利用を避けるよう呼びかけています。飲酒しながらのサウナは、低血圧や不整脈、突然死のリスクを高めるとも指摘されています(Hannuksela ら, 2001)。

5-4. 寝る直前のサウナ:交感神経寄りが長引くこともある

3-4で紹介したように、サウナの後に交感神経寄りの状態がしばらく続いた研究もあります。寝る直前に高温のサウナや冷たい水風呂で終えると、人によっては寝つきにくくなるかもしれません。サウナと眠りの関係はサウナで睡眠の質は上がるかの解説にまとめています。

6. 自律神経の切り替えを生かすサウナの入り方

研究の結果から考えると、ポイントは「刺激を強くすること」ではなく「休憩で副交感神経に切り替わる時間をしっかりとること」です。基本の流れは次のとおりです。

  1. 水分をとり、体を洗う:汗で失う水分を先に補っておきます。
  2. サウナ:はじめは下段で5分前後から。慣れても12分を超えない範囲で、しっかり温まったと感じたら出ます。
  3. かけ水→水風呂:足先からかけ水をして、30秒〜2分。息を止めず、ゆっくり吐きながら入ります。
  4. 休憩:体をふいて、座るか横になって5〜10分。副交感神経に切り替わる大事な時間です。
  5. 2〜3セットで終える:最後のセットの後は急いで動かず、水分をとってゆっくり過ごします。

時間の目安はサウナ室の温度と本人の慣れで変わるので、一律に「何分」とは決められません。日本サウナ・スパ協会が公式に何分・何回を推奨しているという記載も、私たちが確認した範囲では見つかりませんでした。初めての人の手順はサウナの入り方(何分・何セット)を参考にしてください。

6-1. 休憩(外気浴)の過ごし方

研究で休憩中の変化が測られたのは、入浴が終わってから30分ほどの間です。休憩の時間を削って次のセットへ急ぐと、せっかくの切り替えの時間が短くなります。リクライニングできる椅子で体の力を抜き、寒すぎない場所でゆっくり呼吸しながら過ごすのがおすすめです。外の空気で休む外気浴のコツは外気浴のやり方と時間の目安で解説しています。

6-2. 目的別の入り方の目安

こんなとき入り方の工夫
リラックスしたい・夜に入るサウナは短めに、水風呂はぬるめか短く、休憩を長めにとる
水風呂が苦手ぬるめのシャワーで手足から冷やす。休憩はしっかりとる
疲れている・寝不足気味無理に入らない。入るなら1〜2セットで短く切り上げる
中高年・血圧が気になる高温・冷水を避け、温度差を小さくする。持病があれば主治医に確認

頻度については、自律神経のための回数を決めた研究は見当たりません。体調に合わせて無理なく続けられる回数で十分です。毎日入ってよいかはサウナに毎日入っていいかの解説を参照してください。

7. 自律神経の変化を心拍で確かめる

自律神経の変化は目に見えませんが、研究と同じように心拍数を手がかりにすると、自分の体がどう動いたかを振り返れます。「整った気がする」を感覚だけで終わらせないための方法です。

注目したいのは、休憩中に心拍数がどれだけ、どのくらいの速さで下がったかです。93人の研究でも、休憩の終わりには心拍数が入浴前より下がっていました。休憩中の心拍の下がり方が日によって違うなら、サウナの時間や水風呂の温度、その日の体調など、何が違ったのかを見比べるきっかけになります。サウナ中・休憩中の心拍数の目安はサウナの心拍数の目安でまとめています。

ととのい時計は、iPhone・Apple Watch・Android で使えるサウナ記録アプリです。高温浴・水風呂・休憩の3つのタイマーがあり、Apple Watch で測った心拍から、温まり・冷え・回復・時間バランスの4つの要素で0〜100の「ととのいスコア」を出します。セットごとの心拍グラフや履歴、施設名の記録で、休憩中の回復の様子を毎回振り返れます。

8. サウナに注意が必要な人

サウナは心拍数や血圧を大きく動かすので、自律神経のためと思っても、次に当てはまる人は安全を優先してください。消費者庁の注意喚起(2024年6月)で、医師のコメントとして示されている内容です。

区分該当する場合
利用を避ける体調不良・発熱があるとき、重い心臓や肺の病気がある人、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いを含む)
主治医に確認してから脳卒中の後の人、心臓の病気や高血圧で治療中の人、妊娠中の人

サウナ中に息苦しさ、めまい、吐き気、強い頭痛を感じたら、時間にかかわらずすぐに出て、涼しい場所で横になってください。サウナの危険性とデメリットはサウナの危険とデメリットで詳しく解説しています。

9. よくある質問

サウナで自律神経失調症は治りますか?

治ると確かめた研究は見当たりません。研究でわかっているのは、サウナ・水風呂・休憩の間に交感神経と副交感神経の働きが一時的に切り替わることまでです。自律神経失調症と呼ばれる不調の背景には別の病気が隠れていることもあるので、続く不調はまず医療機関で相談し、サウナは気分転換の一つとして使うのが無難です。

サウナで自律神経がリセットされるって本当?

「リセット」という言い方は言い過ぎです。サウナの後の休憩中に副交感神経の指標が増え、心拍数が入浴前より下がることは研究で示されています。ただし93人を測った研究でも、心拍変動の指標の多くは休憩30分でほぼ元の値に戻る傾向でした。一時的な切り替えであり、自律神経の状態が作り直されるわけではありません。

サウナの後に眠れない・だるいのは自律神経が乱れたから?

入りすぎや水風呂の冷やしすぎで、交感神経が高ぶったままになっている可能性はあります。健康な人を含む研究でも、1回目のサウナの後に交感神経寄りの状態が長く続いた例が報告されています。サウナの時間を短くする、休憩を長めにとる、寝る直前に高温のサウナで終えない、を試してみてください。

自律神経のためには週何回入ればいいですか?

自律神経のための回数を決めた研究は見当たりません。フィンランドの観察研究では週4〜7回入る人に突然心臓死や脳卒中が少ない関連が出ていますが、因果は示されていません。週1〜3回でも、体調に合わせて無理なく続けられる回数で十分です。

水風呂に入らなくても自律神経は切り替わりますか?

水風呂の有無で比べた研究は見当たりません。93人の研究では、サウナの後のクールダウンの時間に副交感神経の指標が増えていました。冷たい水風呂が苦手な人や中高年の人は、ぬるめのシャワーで手足から時間をかけて冷やし、休憩をしっかりとる入り方から始めるのが安全です。

ととのう感覚がなくても、自律神経は変化していますか?

研究は感覚ではなく心拍で自律神経を測っているので、ととのう感覚がはっきりしなくても、休憩中に心拍数が下がるなどの変化は起きている可能性があります。感覚だけで判断せず、休憩中の心拍の落ち着き方を見るのも一つの方法です。

10. まとめ

サウナで起きるのは、交感神経から副交感神経への一時的な切り替えです。最後にポイントを振り返ります。

  • サウナ室と水風呂で交感神経が働き、休憩中に副交感神経が優位になる
  • 93人の研究では、休憩の終わりの心拍数が入浴前の77から68に下がり、副交感神経の指標が増えた
  • ただし多くの指標は30分ほどでほぼ元に戻る傾向。「整う」は一時的な切り替えで、自律神経失調症が治るという根拠はない
  • 入りすぎ・冷やしすぎ・休憩を飛ばす・寝不足・飲酒・寝る直前の高温サウナは逆効果になりやすい
  • 体調が悪い日は入らない。持病がある人は主治医に確認する

次のサウナでは、サウナ室で頑張るより休憩の時間を長めにとることを意識してみてください。無理のない時間配分で入り、休憩中の心拍の戻りを記録しておけば、自分に合う入り方が見つけやすくなります。