サウナ後の頭痛の原因は6つ|すぐできる治し方と救急車を呼ぶべき5つのサイン【翌日の頭痛・めまい・吐き気も】消費者庁・厚労省・頭痛学会の情報でわかりやすく解説
結論
サウナ後の頭痛の多くは、汗による脱水か体温の上がりすぎ(熱中症の入り口)で起きます。まずはサウナから出て、涼しい場所で横になり、水分と塩分をとって30分ほど休んでください。ただし、経験したことのない激しい頭痛、ろれつが回らない、片側の手足や顔のしびれ・麻痺、呼びかけへの反応がおかしいときは、迷わず救急車(119番)を呼んでください。
「サウナから出たら、頭がズキズキしてきた」
「ととのうどころか、翌日まで頭が重い。これって大丈夫?」
気持ちよくなるはずのサウナで頭が痛くなり、不安になっている方も多いのではないでしょうか。調べても「脱水です」「血管が広がるからです」と原因が一言で片づけられていて、自分の頭痛がどれに当たるのか、病院へ行くべきなのかがわかりにくいものです。そこでこの記事では、消費者庁の注意喚起、厚生労働省の熱中症の分類、国立循環器病研究センターの脳卒中の症状、日本頭痛学会のガイドラインといった一次情報だけをもとに、サウナ後の頭痛を6つの原因に分けて、見分け方と対処を表にまとめました。翌日に残る頭痛や、頭痛薬との付き合い方、「ととのう」とめまいの違いまで解説します。ぜひ参考にしてください。
今まさに頭が痛い方へ:まず救急車を呼ぶべき5つのサインに当てはまらないかを確かめ、当てはまらなければ今すぐできる対処へ進んでください。次からの予防には、入り方の基本をまとめたサウナの入り方(何分・何セット)が参考になります。
1. まず確認:救急車を呼ぶべき5つのサイン
サウナ後の頭痛のほとんどは休めば治まりますが、まれに脳卒中や重い熱中症が隠れていることがあります。次のどれか1つでも当てはまれば、自己判断で様子を見ずに救急車を呼んでください。
| サイン | 疑われるもの | 出典 |
|---|---|---|
| ① 経験したことのない激しい頭痛 | 脳卒中(くも膜下出血など) | 国立循環器病研究センター |
| ② 片方の手足・顔半分の麻痺やしびれ、ろれつが回らない・言葉が出ない・人の言うことが理解できない | 脳卒中 | |
| ③ 力はあるのに立てない・歩けない・フラフラする、片方の目が見えない・物が二つに見える | 脳卒中 | |
| ④ 呼びかけへの反応がおかしい、けいれん、体に触ると熱い | 重い熱中症(Ⅲ度) | 厚生労働省・環境省 |
| ⑤ 吐き気や嘔吐で自分で水分がとれない | 熱中症(医療機関への搬送が必要) |
国立循環器病研究センターは、脳卒中の症状が出たら「迷わず救急車を呼びましょう」としています。「サウナで温まりすぎただけだろう」と思い込んで横になり続けるのが一番危険です。
サウナの直後に急に水風呂へ入ると、血圧が200mmHg程度まで上がったという報告があり、これにより脳卒中や心筋梗塞を起こすおそれがあると消費者庁の注意喚起(2024年6月)の医師コメントで示されています。中高年の人、血圧が高い人、心臓の病気がある人は特に注意してください。
熱中症については、環境省のマニュアルが「意識がない・呼びかけへの返事がおかしい」ときは救急隊を呼び、到着を待つ間も体を冷やし始めるよう示しています。サウナ施設なら、我慢せずにスタッフに声をかけてください。
2. サウナ後の頭痛の6つの原因と見分け方
サウナ後の頭痛は、いつ・どんなふうに痛むかで原因の見当がつきます。自分の頭痛に近いものを表で探し、その原因に合った対処をしてください。
| 原因 | 起きやすいタイミング | よく一緒に出る症状 | 対処の基本 |
|---|---|---|---|
| ① 脱水 | セットを重ねた後半〜サウナ後、翌日 | のどの渇き・だるさ・めまい | 水分と塩分をとって休む |
| ② 温まりすぎ・のぼせ(熱中症の入り口) | サウナ室の中〜出た直後 | 顔のほてり・気分の悪さ・吐き気・ぐったり感 | 涼しい場所で体を冷やす |
| ③ 血圧の急な変化 | 水風呂に入った直後、休憩から立ち上がったとき | 立ちくらみ・ふらつき・動悸 | 座るか横になる。水風呂は急に入らない |
| ④ 片頭痛の誘因 | サウナ後〜数時間後、翌日 | 片側のズキズキ・光や音がつらい・吐き気 | 暗く静かな場所で休み、痛む場所を冷やす |
| ⑤ 冷たい刺激 | 水風呂に頭まで入ったとき、冷たい飲み物を一気に飲んだとき | 額などの短く刺すような痛み | 刺激をやめれば30分以内に治まるとされる |
| ⑥ 飲酒・寝不足・空腹など体調 | サウナ中〜翌日 | だるさ・二日酔いの症状 | その日は入らない |
2-1. 脱水:10分で汗が約500mL出ることも
サウナ後の頭痛で最初に疑いたいのが脱水です。消費者庁の注意喚起の医師コメントによると、10分間のサウナで汗が500mL程度出るという報告があり、これは体重の約1%にあたります。人は体重の1〜2%の水分を失うと脱水症になり、さらに進むと全身のだるさや頭痛、めまいが起きるとされています。
3セット入れば、合計の汗はそれ以上になることもあります。サウナ前に水を飲まず、合間にも飲まずにセットを重ねると、後半や帰り道に頭痛が出やすくなります。
2-2. 温まりすぎ・のぼせ:頭痛は熱中症のⅡ度の症状
サウナ室で我慢しすぎて体温が上がりすぎると、熱中症の状態になります。厚生労働省の熱中症の分類では、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感はⅡ度(中等症)の症状とされています(厚生労働省「熱中症の症状と分類」)。サウナの後に頭痛と吐き気が同時に出ているなら、「軽いのぼせ」ではなく熱中症の可能性を考えて対処してください。
サウナ室の中で体温は思った以上に上がります。健康な若い男性8人を測った実験では、80℃のサウナで口の中の温度が約1.1℃、100℃で約1.9℃上がり、湿度を上げて限界まで入った条件では約3.2℃も上がりました(Kukkonen-Harjula ら, 1989)。ロウリュで蒸気が上がった直後や、アウフグース中に出られず長居したときは、特に温まりすぎに注意が必要です。
| 重症度 | 主な症状(厚生労働省の分類) | サウナで見かける場面 |
|---|---|---|
| Ⅰ度(軽症) | めまい・失神(立ちくらみ)、筋肉のこむら返り、大量の発汗 | 水風呂や休憩から立ち上がったときのふらつき |
| Ⅱ度(中等症) | 頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感 | サウナ後に頭がズキズキし、気持ち悪くてぐったりする |
| Ⅲ度(重症) | 意識障害・けいれん・手足の運動障害、高体温 | 呼びかけに反応が鈍い、まっすぐ歩けない(すぐ救急車) |
2-3. 血圧の急な変化:水風呂と立ち上がりに注意
サウナと水風呂は、血圧を短い時間で大きく上げ下げします。サウナの直後に急に水風呂へ入ると、交感神経が刺激されて血管が縮み、血圧が上がります(消費者庁)。反対に、サウナの後は血圧が入浴前より下がることも確かめられていて、73℃のサウナに30分入った102人の研究では、入浴直後の血圧が平均137/82mmHgから130/75mmHgに下がりました(Laukkanen ら, 2018)。
血圧が下がった状態で急に立ち上がると、脳への血流が一瞬足りなくなり、立ちくらみや頭の重さを感じることがあります。消費者庁の医師コメントでも、入浴後は血圧が安定するまで30分ほど休憩スペースで休むよう勧めています。水風呂の入り方は水風呂の入り方と効果で、血圧や心拍の動きはサウナの心拍数の目安で詳しく解説しています。
2-4. 片頭痛の誘因:温度差・飲酒・疲れ
もともと片頭痛がある人は、サウナの環境そのものが発作のきっかけになることがあります。日本頭痛学会の慢性頭痛診療ガイドラインでは、片頭痛の誘発因子として、ストレス・精神的緊張・疲れ・睡眠といった精神的因子、月経周期、天候の変化・温度差などの環境因子、アルコールが挙げられています。
サウナと水風呂の行き来は大きな温度差そのものですし、サウナ後のビールや、寝不足のままのサウナも重なりやすい誘因です。ただし、サウナそのものが片頭痛を起こすと確かめた研究は見当たらないので、「誘因になりうるものが重なっている」と考えるのが正確です。詳しくは6章で解説します。
2-5. 冷たい刺激:水風呂に頭まで潜ったとき
上位の解説記事ではあまり触れられていませんが、冷たい刺激そのものが頭痛を起こすこともあります。国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では「外的な寒冷刺激による頭痛」が分類されていて、ひどく寒い天候にさらされたとき、冷たい水に飛び込んだとき、冷却療法を受けたときなど、頭が外から冷やされて起きるとされています(ICHD-3 4.5.1)。
痛みは額の中央に短く刺すように出ることが多く、片側のこめかみや目の奥が痛む場合もあります。診断基準では、冷たい刺激がなくなってから30分以内に治まるものとされています。冷たいものを急いで飲み込んだときの頭痛(いわゆるアイスクリーム頭痛)も同じ「寒冷刺激による頭痛」のグループに入っているので、サウナ後に冷えた飲み物を一気に飲んだ直後の短い頭痛は、これかもしれません。
2-6. 飲酒・寝不足・空腹:そもそも入ってはいけない日
体調の悪い日は、頭痛を含めて体調を崩しやすくなります。消費者庁の医師コメントでは、体調がすぐれないとき、食事の直後、運動の直後、飲酒後(二日酔いも含む)はサウナの利用を避けるよう示されています。飲酒しながらのサウナは低血圧や不整脈、突然死のリスクを高めると指摘されています(Hannuksela ら, 2001)。
なお、「サウナ室の酸欠が頭痛の原因」という説明も見かけますが、一般的な施設のサウナ室で酸欠が頭痛を起こすことを確かめた研究は見当たりませんでした。一方、薪ストーブを使うテントサウナは別で、燃焼で出る一酸化炭素は空気中の濃度が0.02%(200ppm)に上がると頭痛などが起き、さらに上がると吐き気やめまいが進むとされています(製品評価技術基盤機構(NITE))。テントサウナで複数人が同時に頭痛を訴えたら、すぐに外へ出て換気を確かめてください。テントサウナの注意点はテントサウナの解説にまとめています。
3. サウナ後に頭痛がしたときの治し方(今すぐできる対処)
救急車を呼ぶサインに当てはまらなければ、次の順番で対処すると多くの頭痛は落ち着きます。熱中症の応急処置(環境省)と消費者庁の注意事項に沿った手順です。
- サウナ室・浴室から出る:セットの途中でもやめます。次のセットには入りません。
- 涼しい場所で横になる:風通しのよい休憩スペースや脱衣所で、体の水滴をふいて横になります。急に立ち上がらないようにします。
- 体を冷やす:ほてりが強いときは、首の横・脇の下・足の付け根を冷たいタオルなどで冷やすと、体の熱が下がりやすくなります(環境省のマニュアルで示されている冷やす場所です)。
- 水分と塩分をとる:汗をたくさんかいた後は、塩分も補えるスポーツドリンクなどが適しています。冷たすぎるものを一気に飲むと頭痛が出ることがあるので、少しずつ飲みます。
- 30分ほど様子を見る:その日はサウナを切り上げ、運転や激しい運動は避けます。
吐き気が強い、吐いてしまった、呼びかけへの反応がおかしいときは、水分を口から入れるのは避けてください。環境省のマニュアルでは、自分で水分をとれないときは医療機関へ運ぶことが最優先とされています。
3-1. 原因別の対処の早見表
| こんな頭痛 | 考えられる原因 | すること | 受診の目安 |
|---|---|---|---|
| のどが渇いて頭が重い | 脱水 | 水分と塩分をとって休む | 水分をとっても数時間よくならない |
| ほてり・吐き気と一緒にズキズキ | 熱中症(Ⅱ度) | 涼しい場所で冷やし、水分・塩分 | 自分で飲めない、良くならない |
| 立ち上がるとクラッとして頭が重い | 血圧の急な変化 | 座る・横になる。ゆっくり立つ | 失神した、何度もくり返す |
| 片側がズキズキし、光や音がつらい | 片頭痛 | 暗く静かな場所で休み、痛む場所を冷やす | いつもの片頭痛と違う |
| 水風呂の直後に額が刺すように痛い | 寒冷刺激 | 水風呂から出て温かい場所へ | 30分以上続く |
| 経験したことのない激しい痛み | 脳卒中の可能性 | すぐ救急車 | 迷わず119番 |
4. サウナの翌日に頭痛がするのはなぜ?
サウナの直後は平気だったのに、翌朝になって頭が痛い、という相談もよく見かけます。翌日の頭痛は、サウナ中の出来事よりサウナの後の過ごし方が関係していることが多いです。
| 翌日の頭痛のよくある背景 | なぜ頭痛につながるか | 次から変えること |
|---|---|---|
| サウナの後に水分をとらずに寝た | 汗で失った水分が戻らず、脱水が続く(脱水が進むと頭痛が出るとされる) | サウナ後にコップ1〜2杯、寝る前にも少し飲む |
| サウナ後にお酒を飲んだ | アルコールは片頭痛の誘因の1つで、二日酔いの頭痛も重なる | サウナの日は飲酒を控えるか量を減らす |
| 寝不足・疲れの日に何セットも入った | 疲れや睡眠は片頭痛の誘因に挙げられている | 疲れている日はセット数を減らすか休む |
| 片頭痛の発作が始まった | 片頭痛の発作は通常4〜72時間続く(日本神経学会) | 温度差の大きい入り方を避ける |
サウナで汗をかいた後に体重が減っているのは、脂肪が減ったのではなく脱水による一時的なものだと、消費者庁の医師コメントでも説明されています。「体重が減ったから水は控えよう」と考えるのは逆効果です。
夜にサウナへ行く人は、サウナの後の水分補給が寝る前の時間と重なります。サウナと眠りの関係はサウナと睡眠の解説で扱っています。翌日の頭痛が何日も続く、だんだん強くなる、吐き気や熱を伴う場合は、サウナのせいと決めつけず医療機関に相談してください。
5. 「ととのう」とめまい・気持ち悪さの違い
「ととのうってこういうこと?」と、めまいやのぼせを我慢してしまう人がいます。ととのう感覚と体調不良のサインは別物なので、違いを表で確かめてください。
| 比べる点 | ととのう | めまい・のぼせ(体調不良のサイン) |
|---|---|---|
| 起きるタイミング | 水風呂の後の休憩中 | サウナ室の中、水風呂の直後、立ち上がったとき |
| 体の感じ | ふわっと力が抜けて、頭はすっきりしている | 目の前が暗くなる、ぐるぐる回る、ふらつく |
| 気分 | 心地よい | 気持ち悪い・吐き気がする・頭が痛い |
| その後 | 数分〜十数分でふだんの感覚に戻る | 休んでもなかなか戻らないことがある |
| すること | そのまま休憩を楽しむ | 座るか横になり、水分をとって休む。その日はやめる |
厚生労働省の分類では、めまい・失神(立ちくらみ)は熱中症のⅠ度、気分の不快や吐き気はⅡ度の症状です。気持ちが悪いのに「これがととのう感覚だ」と我慢して待つのは危険です。ととのう感覚がどう起きるのかは「ととのう」とはの解説で詳しくまとめています。
5-1. 整ったあとに気持ち悪くなるとき
休憩中は心地よかったのに、そのあと気持ち悪くなる場合は、休憩が寒くて体が冷えすぎた、セットを重ねて脱水が進んだ、休憩から急に立ち上がった、のいずれかが多いと考えられます。体をふいて温かい場所で座り、水分をとってから、その日は終わりにしてください。外気浴の場所選びは外気浴のやり方で解説しています。
6. 片頭痛・緊張型頭痛がある人のサウナ
頭痛にはいくつかのタイプがあり、サウナとの付き合い方も変わります。もともと頭痛もちの人は、自分の頭痛がどちらに近いかを先に確かめてください。
| 比べる点 | 片頭痛 | 緊張型頭痛 |
|---|---|---|
| 痛み方 | 片側のズキズキ(拍動性)。動くと強くなる | 締めつけられる・圧迫されるような痛み。多くは両側 |
| 一緒に出やすい症状 | 吐き気・嘔吐、光・音・においがつらい | 寝込むほどではないことが多い |
| 続く時間 | 通常4〜72時間 | 30分〜7日 |
| サウナで気をつけること | 発作中は入らない。温度差・飲酒・寝不足を重ねない | 温めて楽になるという声はあるが、研究での裏付けは見当たらない |
片頭痛の特徴は日本神経学会、緊張型頭痛の特徴は日本頭痛学会の解説によります。
6-1. 片頭痛の発作中はサウナも水風呂も避ける
片頭痛は階段の昇り降りのような動きでも痛みが強くなるのが特徴です。日本頭痛学会のガイドラインでは、発作中の注意として「静かな暗い場所で休む、痛む箇所を冷やす」などが挙げられています。明るく暑いサウナ室や、冷たい水風呂に体ごと入るのは、この過ごし方とは逆の方向です。
「偏頭痛のときに水風呂で頭を冷やせば治る」という話もありますが、確かめた研究は見当たりません。冷やすなら、休憩しながら冷たいタオルを痛む場所に当てる程度にとどめ、水風呂に頭まで入るのは避けてください。冷たい水そのものが頭痛を起こすこともあります(2-5)。
6-2. 発作がないときに入るなら
片頭痛があってもサウナを楽しんでいる人はいますが、温度差や飲酒、寝不足が誘因になりうることは覚えておいてください。次のような入り方から試すのが無難です。
- サウナは下段で短め、汗が出たら出る
- 水風呂はかけ水やぬるめのシャワーから、首まででゆっくり。苦手なら入らない
- 寝不足・空腹・月経前後など、いつも発作が出やすいときは入らない
- サウナ後のお酒は控える
頭痛の回数が多い、サウナのたびに頭痛が出るという人は、一度頭痛外来や神経内科で相談しておくと安心です。
6-3. 緊張型頭痛はサウナで楽になる?
肩こりからくる緊張型頭痛は、温めると楽になると紹介されることがよくあります。ただ、日本頭痛学会の緊張型頭痛の解説で挙げられている対処は、ストレスマネジメント、リラクセーション、理学療法、頭痛体操、予防薬などで、入浴やサウナには触れていません。サウナで楽になる人がいても、治療として勧められる根拠は今のところ見当たらない、と考えておくのが正確です。
7. 頭痛薬を飲むときの注意
「サウナの後に頭痛がしたら、薬を飲めばいい?」という疑問も多く検索されています。この記事では特定の薬はおすすめしませんが、知っておきたいポイントを3つまとめます。
- まず水分と休憩:脱水や温まりすぎが原因なら、薬で痛みを抑えても体の状態は変わりません。先に涼しい場所で休み、水分と塩分をとってください。
- 使えるかは薬剤師・医師に相談:持病がある、ほかの薬を飲んでいる、妊娠中、お酒を飲んだ後、といった場合は、市販薬でも使い方が変わります。購入時に薬剤師に相談してください。
- 飲みすぎで頭痛が増えることがある:日本頭痛学会によると、頭痛薬を薬の種類によって月に10日以上、または15日以上使う状態が3か月を超えて続くと、かえって頭痛が増える「薬剤の使用過多による頭痛」になることがあり、市販の鎮痛薬が原因として多いとされています。
頭痛薬を飲んでからサウナに入ってよいかについては、確かめた研究が見当たりませんでした。私たちの考えとしては、痛みを薬で抑えて入るより、頭痛がある日はサウナを休むほうが、体調の変化に気づきやすく安全だと考えています。薬が効かない、飲んでも何度もぶり返すときは、医療機関を受診してください。
8. サウナで頭痛を起こさない入り方8つ
サウナ後の頭痛の多くは、入り方を少し変えるだけで防げます。消費者庁の医師コメントを中心に、原因ごとの予防をまとめました。
| 入り方 | 防げる原因 | 根拠・補足 |
|---|---|---|
| ① 入る前・合間・後にコップ1〜2杯ずつ水分をとる | 脱水 | 10分で汗500mL程度の報告(消費者庁) |
| ② 温かいシャワーを手足の先からかけてから入る | 血圧の急変 | 急に熱い環境に入ると血圧が急上昇する(消費者庁) |
| ③ 下段から座る | 温まりすぎ | 1段上がると10℃ほど温度が上がる(消費者庁) |
| ④ 汗が出たら・動悸がしたら出る | 熱中症 | 汗が出たら体温は0.5〜1.0℃上がっている目安。イベント中でも我慢しない |
| ⑤ ぬるいお湯で汗を流し、かけ水をしてから水風呂へ | 血圧の急変 | サウナ直後に急に入ると血圧200mmHg程度の報告 |
| ⑥ 水風呂に頭まで潜らない | 寒冷刺激 | 冷水への飛び込みは寒冷刺激による頭痛の例(ICHD-3) |
| ⑦ 休憩から立つときはゆっくり。最後は30分ほど休む | 血圧の急変 | サウナ後は血圧が下がる。安定まで30分ほど休む(消費者庁) |
| ⑧ 飲酒後・寝不足・体調不良の日は入らない | 体調・片頭痛の誘因 | 飲酒後(二日酔いを含む)は利用を避ける(消費者庁) |
時間の目安はサウナ室の温度や慣れで変わるので、一律に「何分」とは決められません。はじめは短めのセットから始めて、頭痛が出ない範囲を探してください。初めての日の手順をまとめたサウナの入り方(何分・何セット)も参考になります。ロウリュの直後は湿度で体感温度が急に上がるので、ロウリュ・アウフグースの解説もあわせて読んでおくと安心です。
サウナハットについて:サウナハットは頭が熱くなりすぎるのを和らげる目的で使われますが、頭痛を防ぐ効果を確かめた研究は見当たりません。かぶるなら上の8つの入り方とあわせて使ってください。選び方はサウナハットの解説にまとめています。
サウナに入ってはいけない人や、持病がある人が主治医に確認すべきケースはサウナの危険とデメリットで詳しく解説しています。サウナの効果全体を知りたい方はサウナの効果の解説もどうぞ。
9. 頭痛が出た日の入り方を振り返る
サウナ後の頭痛をくり返す人は、頭痛が出た日と出なかった日で、サウナの時間・水風呂の時間・休憩の長さ・セット数のどこが違ったかを比べると、自分の原因が見えやすくなります。「4セット目まで入った日だけ痛くなる」「水風呂を長くした日に出る」といった傾向は、記録を残していないと気づきにくいものです。
ととのい時計は、iPhone・Apple Watch・Android で使えるサウナ記録アプリです。高温浴・水風呂・休憩の3つのタイマーで時間を測り、Apple Watch で測った心拍から、温まり・冷え・回復・時間バランスの4つの要素で0〜100の「ととのいスコア」を出します。セットごとの心拍グラフや履歴、施設名も残せるので、無理をした日の入り方を後から確かめられます。
10. よくある質問
サウナの後の頭痛はどのくらいで治りますか?
脱水や温まりすぎが原因の軽い頭痛なら、涼しい場所で横になり、水分をとって30分ほど休むと楽になることが多いです。水風呂などの冷たい刺激による頭痛は、国際頭痛分類では刺激がなくなってから30分以内に治まるものとされています。数時間たっても強くなる、くり返し吐く、いつもと違う痛みのときは医療機関を受診してください。
サウナの翌日に頭が痛いのはなぜ?
多いのは、汗で失った水分を取り戻せないまま寝てしまった、サウナの後にお酒を飲んだ、寝不足や疲れが重なった、といったケースです。片頭痛のある人は、温度差や飲酒、疲れが発作のきっかけになることがあり、片頭痛の発作は通常4〜72時間続くとされています。
サウナで頭痛がしたら頭痛薬を飲んでいい?
市販薬が使えるかどうかは、持病や飲んでいる薬によって変わるので、薬剤師か医師に相談してください。まずは涼しい場所で休み、水分をとるのが先です。頭痛薬を月に10〜15日以上飲む状態が3か月を超えて続くと、薬の使いすぎでかえって頭痛が増える「薬剤の使用過多による頭痛」になることがあると日本頭痛学会は説明しています。
片頭痛もちでもサウナに入っていい?
発作が出ているときは入らないでください。片頭痛は動くと痛みが強くなるのが特徴で、日本頭痛学会のガイドラインでは発作中は静かな暗い場所で休む、痛む場所を冷やす、などの注意が挙げられています。発作がないときに入るなら、温度差や飲酒、寝不足が誘因になりうることを踏まえ、短めの時間とゆるやかな冷却から試すのが無難です。
水風呂で頭が痛くなるのはなぜ?
冷たい水が頭に当たると、短く刺すような頭痛が出ることがあります。国際頭痛分類では「外的な寒冷刺激による頭痛」として分類され、冷水に飛び込んだときなどに起きるとされています。頭まで潜らない、かけ水で体を慣らしてから首まででゆっくり入る、を試してみてください。
ととのう感覚とめまいはどう違う?
ととのうは、休憩中に訪れる心地よい脱力感と頭のすっきり感で、不快さはありません。一方、目の前が暗くなる・ふらつく・ぐるぐる回る・吐き気がするのはめまいや立ちくらみで、厚生労働省の分類では熱中症のⅠ度の症状にも入っています。気持ちが悪いのに我慢して待つのは、ととのいではありません。
サウナハットをかぶれば頭痛を防げる?
サウナハットは頭が熱くなりすぎるのを和らげる目的で使われますが、頭痛を防ぐ効果を確かめた研究は見当たりません。頭痛の予防として優先したいのは、水分補給、下段から入る、汗が出たら出る、水風呂に急に入らない、といった入り方の見直しです。
11. まとめ
サウナ後の頭痛は、多くの場合、入り方を見直せば防げます。最後にポイントを振り返ります。
- 経験したことのない激しい頭痛、片側のしびれや麻痺、ろれつが回らない、反応がおかしいときは迷わず救急車
- 原因は主に脱水・温まりすぎ(熱中症)・血圧の急変・片頭痛の誘因・冷たい刺激・体調の6つ
- 頭痛と吐き気が一緒なら熱中症のⅡ度を疑い、涼しい場所で冷やして水分と塩分をとる
- 翌日の頭痛は、サウナ後の水分不足・飲酒・寝不足が重なっていないかを見直す
- 気持ち悪いのを我慢するのは「ととのう」ではない。頭痛薬の使い方は薬剤師・医師に相談する
次のサウナでは、まず水分をとってから下段で短めに入り、汗が出たら出る、水風呂はかけ水をしてから、を試してみてください。無理のない時間配分で入り、頭痛が出なかった日の入り方を記録しておけば、同じ入り方を再現しやすくなります。